そもそも事件の事実関係は、「講師はいきなり児童を突き飛ばした。この際に児童と体がぶつかったことを『児童から蹴られた』と一方的に思いこみ、逆上してさらに胸ぐらをつかむなどした」という行為です。PTSDの症状が暴力被害直後から発症していること、またほかにPTSDを誘発する要因は考えられないことからみても、講師の暴行でPTSDを発症したのも事実です。
熊本地裁が講師の行為を「感情的な暴行」「教育的指導から逸脱」「体罰」と認定し、PTSDとの因果関係を認めたのは妥当です。普通に考えれば、それ以外の認定はしようがありません。
天草市教委は「体罰」にも値しない感情的な暴行と認識しているわけではありません。逆に暴行すら「教育的指導」と強弁しているという代物です。暴行を教育的指導とすり替えていることこそが、重大な事実誤認ではないでしょうか。
控訴は全くの不当であり、撤回されるべきです。
講師体罰でPTSD 敗訴の天草市控訴へ〔『西日本新聞』2007/6/23〕
小学校の男性臨時講師から威圧的な言動を受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、熊本県天草市の男児(当時2年)が市と講師に損害賠償を求めた訴訟で、市は22日、約65万円の支払いを命じた15日の熊本地裁判決を不服として控訴する方針を明らかにした。
地裁判決は、講師の行為を「教育的指導から逸脱し、体罰と認めざるを得ない」とし、PTSDとの因果関係を認めた。控訴理由について、市教委学校教育課は「教育的指導の一環で体罰ではない。事実誤認がある」としている。



